Fast Track Cities Workshop Japan 2022 開催報告

2022 年 12 月 9 日

 2022年11月16日(水曜日)午前中、一般社団法人日本エイズ学会は日本におけるFast-Track Citiesイニシアチブ推進のため、Fast-Track Cities協会・国際エイズケア提供者協会(IAPAC)と覚書を締結しました。
Fast-Track Citiesイニシアチブとは、都市レベルでのエイズ対策を推奨するグローバルなパートナーシップのことです。
 同日午後、ハイブリッド形式で開催したFast-track Cities Workshop Japan 2022は、市民団体や医療従事者、研究者など分野横断的な議論を活発化させ、さらに世界におけるエイズ対策のベストプラクティスについて共有の機会を設け、日本のエイズ対策に貢献することを目的に開催されました。

 まずは特別講演として海外からお招きした5名の演者から世界のエイズ対策の動向やオーストラリア・ロンドンの市民団体の取り組みについてご発表いただきました。
 その後2つのパネルディスカッション「HIV対策の歴史から学ぶ」が行われ、1つ目のパネルディスカッションでは「政策立案過程への市民・当事者参画」をテーマに、市民団体に長く携わり、国内HIV対策に大きく寄与してきた4名のパネリストから、日本のエイズ対策におけるコミュニティの力についてお話いただきました。

 続いて2つ目のパネルディスカッションでは、「市民・当事者目線で考える性感染症対策」をテーマに、第一線で活躍する4人のパネリストに議論いただきました。

 師走の平日、日中にもかかわらずワークショップには一般の方や医療従事者、支援団体等から会場に33名、オンラインで50名の方々にお集まりいただきました。
 日本のHIV流行がある程度抑えられてきた背景には、コミュニティの多大な貢献があります。今後HIV対策をさらに推進し、他の感染症対策に活かすために行政・医療研究機関、市民団体がコミュニケーションを円滑かつ齟齬なく行えるかどうか、重要なポイントだと考えています。