What is Sexual Health? セクシャルヘルスとは

「ハラスメントとは」

  

「ハラスメント(Harassment)」とは、さまざまな場面における「嫌がらせ」「いじめ」に当たる言動を指します。本人が傷つける意図があったかどうかに関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えるものはすべてハラスメントです。
性に関連するハラスメントには次のようなものがあります。それぞれのハラスメントには重なり合う部分も少なくなく、いくつかのハラスメントを同時に受けることもあります。
また、性に関するハラスメントの被害者は女性であると考えがちですが、男性でも被害にあっている人はおり、性差に関係なくいかなるハラスメントも重大な人権侵害です。

セクシャルハラスメント

相手が不快に思い、相手が自分の尊厳が傷つけられたと感じるような性的発言や行為。

ジェンダーハラスメント

性に関する固定観念や差別意識からの嫌がらせや偏った言動。女性または男性という理由のみで性格や能力の評価や決めつけを行うことで、セクシャルハラスメントに含まれる。

マタニティハラスメント

職場をはじめとする社会における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関する上司・同僚からの嫌がらせのこと。これらの休業は法律で認められており、マタニティハラスメントは男女雇用均等法や育児・介護休業法で禁じられている。

モラルハラスメント

本人のモラルに則って相手の人格や尊厳を傷つける精神的な暴力。実際に肉体的な暴力を伴うこともある。パワーハラスメントと違い職権は関係なく、同僚、同級生同士、部下から上司、さらには夫婦や親子、恋人、友人同士の間でも発生する。

パワーハラスメント

立場や職権を利用して相手に嫌がらせ行為を行うこと。プライバシーの侵害や威圧的な態度での脅迫や侮辱、暴力、罵声、無視、能力に見合わない仕事を振り分けるなどのほか、立場を利用した性的行為の強要も含まれる。

セカンドハラスメント

ハラスメントの被害を同僚や上司などに相談したことによって、相談相手から責められたり、さらに嫌がらせを受けること。「そんな話は信じられない」「あなたにも原因がある」などの言動や、相談したことによって生じる報復や被害の隠匿を図ることもセカンドハラスメントに当たる。

性暴力を受けてしまったら

性暴力によって生じた外傷、妊娠や性感染症のリスクには、なるべく早くに処置・対応することが望まれます。
全国共通の相談窓口として、「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」、警察の「性犯罪被害相談窓口」、SNS相談「Cure Time(キュアタイム)」などがあります。
いずれも、年齢、性別、セクシャリティーを問わず相談できます。

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
短縮電話番号「♯8891(はやくワンストップ)」
都道府県にある性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにつながり、産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関とも連携しています。医師による心身の治療、緊急避妊の支援を匿名、健康保険証なしでも受けられます。
また、捜査関連の支援や法的支援(弁護士の紹介など)、病院や警察などへの同行支援なども受けられます。

警察の性犯罪被害相談窓口
短縮電話番号「♯8103(ハートさん)」(24時間対応)
被害者の安全の確保や病院の受診、ケガの手当てなどをまず優先して対応します。
警察に相談しても「被害届」を出すかどうかは自分で決めることができます。

性暴力に関するSNS相談「Cure Time(キュアタイム)」
月・水・土曜日の17時~21時の間SNSを通して相談ができます。
年齢、性別は問わず、匿名での相談も受け付け、外国語での相談も可能です。

DV相談+
電話番号0120-279-889(つなぐ・はやく)
24時間電話、メール、チャットで相談ができ、外国語での相談も可能です。

性暴力を受けたら医療機関で診察を

女性の場合は、基本的に婦人科を受診します。なるべく早く受診することが望ましく、被害から72時間以内なら緊急避妊薬で妊娠を回避することが可能です。
男性の場合も、できるだけ早くに外科、泌尿器科、性病科などで外傷の治療や性感染症の検査を受けることが望ましいです。 自分1人では、どうしてよいかわからないと感じたら、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターや警察の性犯罪被害相談窓口を利用しましょう。

警察や病院に相談するときのポイント
加害者を特定し罰するためには証拠(体毛、精液、唾液など)を採取することが大切なので、できれば被害にあったままの服装で、トイレに行ったり体を洗ったりしないで行きましょう。着替えた場合は、被害にあったときに着ていた服を洗わずにビニール袋へ入れて持っていきます。
「意識がもうろうとした」など、飲み物や食べ物に睡眠薬などが混入された心配がある場合は、被害にあう前に飲んだものや食べたものの残り、使用した食器も持っていけるとよいでしょう。

性暴力の被害者から相談を受けたら

最も大切なことは、相談してくれた人の話を否定せずに聞くことです。「いつ」「どこで」などと聞きだすようなことは避け、本人が話せる範囲のことに耳を傾けます。
性暴力は犯罪であり被害者に落ち度はありませんが、被害者本人が自分を責めてしまうことが少なくありませんので、「あなたは悪くないよ」と伝え、味方であることを示しましょう。
医療機関や相談機関、警察などへ付き添ってあげると心強と思われますが、その場合も本人の意思を尊重してあげましょう

いってはいけない言葉の例
「本当に?」
「なぜそんなところに行ったの?」
「どうして逃げなかったの?」
「もっと早く話してくれたらよかったのに」
「忘れたほうがいい」
「わかるよ」「頑張って!」 など